講演会「シャンティニケタンから建築とデザインを考え、学び、作る」@京都国立近代美術館(「バウハウスへの応答」展関連企画)

京都国立近代美術館での9月22日講演「シャンティニケタンから建築とデザインを考え、学び、作る」、おかげさまで多くの方々にお聞きいただきました。
インドの100年前のことと現在進行形のプロジェクトを行ったり来たりする話を試みましたが、ややアヤフヤな表現ありつつも新しい言葉も出てきたのはよかったです。(写真は、京近美の方から。本橋さん牧口さんありがとうございました)
「総合芸術 / (生活という)全体性 / 人間性の恢復」というキーワードをレクチャのはじめに掲げてみて、そのキーワードによって100年のギャップを行き来しようとしましたが、なかなかうまくいかなかったので、今後の課題。
バウハウスとインド・シャンティニケタンとの関係は1922年12月にカルカッタで企画された「EXHIBITION OF CONTINENTAL PAINTINGS AND GRAPHIC ARTS」展で、イッテンやカンディンスキーの作品と、カラバボナのアバンドラナート・タゴールやナンダラルボースの作品が同居したという史実につきるのではと。
バウハウスが1919年に始まった一方、シャンティニケタンの学校はその土壌が1901年からスタートし、1919年にVisva-Bharati Uni.として本格化したことからも、それぞれ相互の影響関係は深いとは言えない。あるとすれば両者をまたぐ媒介者としての、1921年ワイマールで講演を行ったラビンドラナート・タゴールと、上記の1922年の展覧会をカルカッタで仕掛けた美術史家のステラ・クラムリッシュはそう。

けれども、2つの学校が生まれ得た、社会背景、世界情勢、社会の中で要請されるべき芸術の役割といったそれぞれのバックグラウンドには共有されるモノが多くあり、時代的にパラレルに生まれるべくして生まれた文化運動だったのではないかと。
そしてそれは、シャンティニケタンとバウハウスだけではなく、少し端折るけれども岡倉天心の日本美術院や、宮沢賢治の農民芸術概論、トルストイ、シュタイナー、などの20世紀初頭の世界同時多発の教育運動を群として捉えるべきではと。

一方で、シャンティニケタンとバウハウスの違いについて敢えていうとすれば、シャンティニケタンでは周辺農村の復興を意図して農業教育を試み、またそもそもがタゴールの全人的教育を目指していたということ。歌を歌い、踊るといった近代文明社会からすれば余暇とも言える領域を根幹に据えていたこと。なんとなく、その差異、シャンティニケタンが持ち得たより多面的な実相が、なぜそのように生まれたのか、というあたりにインドという、あるいはあえて「アジア」というフレームを考える価値、必要性が出てくるのではと思う。
そのへん、当時の家具のデザインとかと併せて、ちゃんと今後掘り下げたい(論じたい)。
あと最近、家具スケールのものをいくつか作ってますが、その辺の自分の手の動きにも影響でてきそうです。


9月22日(土)夕方、京都で講演いたします。現在開催中の京都国立近代美術館「バウハウスへの応答」展の関連企画です。
ご近傍の方ぜひお越しください。
I will have a lecture about Santiniketan’s history and my recent project in Santiniketan (In-Field Studio, housing project with Nilanjan Bandyopadhyay) at The National Museum of Modern Art, Kyoto tomorrow. The lecture is a related event of an exhibition ‘Bauhaus Imaginista: Corresponding With’.

インド・シャンティニケタンの学校の古今と、1922年頃の現地での動き(カルカッタでのバウハウス展、シュリニケタンでの農村復興事業、日本大工カサハラキンタローの現地での活動あたり)に触れてみようと思っています。
その上で、自分の近年の活動(「In-Field Studio」、「Project in Santiniketan -インド・シャンティニケタンに同志を募って家を作りに行く」)の話から、再び20世紀初頭のシャンティニケタンの創作環境に想像を飛ばせればと。
岡倉天心との思想的連関や、はたまた宮沢賢治の学校作りまで飛びたいとも思っていますが、どこまでいくか。

講演会「シャンティニケタンから建築とデザインを考え、学び、作る」
日時:9月22日(土) 午後5時~6時30分
講師:佐藤研吾(In-Field Studio / 歓藍社)
会場:京都国立近代美術館 1階講堂
定員:先着100名(当日午後4時より1階受付にて整理券を配布します)
参加費:無料
http://www.momak.go.jp/Japanese/exhibitionArchive/…/426.html