170203-05 Vadodara

170203
昼、Ekbote氏が自分の授業の後、1年生の教室にきて課題New Templeの様子を見に来る。二つの敷地模型それぞれを前にして、学生の計画案の可能性について、およびこの課題の設定について、氏からの意見をもらう。計画案において既存のTempleの建築物およびその場所に対する配慮が不足していること、景観=Viewへの配慮、既存建築物との関係性、前庭Forecourtの必要性などの指摘があった。そして特にVithhal Mandirの対象敷地として設定した場所について議論を交わした。対象敷地は現在は5階建程度の中高層のビルが建つ場所である。ビルは建設途中で工事は現在止まっている。Ekbote氏からはその敷地を更地にするのではなく、ビルの改築を前提にし、最小限の建築的介入でもって計画に取り組むべきではないかという指摘。まさに真っ当な指摘でもあるが、私の考えは少々氏とは異なるものである。その中高層ビルが建つ場所は元々は寺院所有のホールが建っていた。正確にはバローダのマハラジャが所有していたもので、数年前に民間に払い下げられ、真っさらな壁を寺院の中庭に向けるその中高層ビルが建ったのであった。そうした寺院の小史を振り返ってみても、寺院にはもしかすると現在とは全く異なる状況が生まれていた可能性がある。この寺院の道向かいの場所にとても大きな空地がある(Mandvi Gate付近)。その土地はかつてはマハラジャの宮殿があった場所で、その場所も近年民間に払い下げられ、近い将来巨大なショッピングモールができる予定となっていいるのだ。様々な都市の問題を考える上で、土地問題は避けて通ることはできない。かつての支配層であったマハラジャ層にはバローダの都市空間についてはどうにかより強い思慮を持ってもらいたいのである。

170204
図書館でSantiniketanの小建築の床伏図を作成。木の床とモルタルプラスターの塗り床で内部を構成したい。通常は床懐や天井懐といった裏の遊びの隙間はほとんどとらずに床躯体と屋根スラブの面にほぼ直接仕上げるである。

170205
日曜日。何人かの作業の相談をしながら、Santiniketanの小建築の計画について設計を進める。この小さな建築がどのような価値を持ち得るのか、少なくとも思考の枠組み自体は広く大きく構えたい。自分にとってこのプロジェクトは稀有な経験となることは間違いない。日本とインド・ベンガルの文化的交流というスケールを超えていかなる様式を発見できるか。素材とディテールの検討の中で負うべき課題である。
Santiniketanに行く残りの2名の枠をかけて、引き続き6名程度の二年生が課題の作業を進めている。数名から相談を受ける。どの人の模型も建築のヴォリュームと開口部程度しか表現がされていないので、もっと自然や動物、飼っている牛やヤギ、犬、そして住み暮らす人間たちの姿を入れ込むことを提案。ジオラマ模型との違いを説明することがなかなか難しいが、少なくともそうした建築外のエレメントを自分の手で大きさを定めて作り込むことは、「農家の家」という課題に対して自分自身の感覚を表現するためには必須だと考えたからである。建築設計が本職となるので建築物に集中することは致し方ないが、周囲内外の細かなエレメントなしにはその建築の姿も立ち現れてはこない。
夜ははるばる郊外のPav Bhajiレストランに3年生と行く。インドの郊外のレストランはしばしばキッチンが固定されておらず車輪付きの屋台を店先に置いてそこで調理をしていたりして、その気軽な設えがとても良い。